
大豆と小麦
広島県庄原市の契約農家「夢ファーム」さんに大豆と小麦の約6割を委託生産しています。天候不順などに備えてそれ以外は、広島県産を仕入れています。
大豆には、煮豆用、納豆用、豆腐用と種類が分かれますが、醤油用というのはないので豆腐用を使います。
広島県産の「サチユタカ」を使用しています。ゆたか系統の大豆で、九州では「フクユタカ」が有名ですが、その流れをくむ大豆です。
小麦は「ミナミノカオリ」という品種を使用。
西日本では、「ミナミノカオリ」や「ニシノカオリ」などがあります。小麦はパンやうどんの使用目的がほとんどです。醤油用の小麦というのはないので、それを使います。
契約農家を使うメリットの一つは、品種の打ち合わせができることです。
毎年色々な品種が出てくるので、どの品種が醤油に向いているのか話をしながら、今年はこれをとか、試しにこれもちょっと植えといて…など話ができます。品種は2-3年で変わってきます。
大豆と小麦の農薬について
使用している広島産の大豆や小麦は無農薬ではありません。
ただ、小麦は基本的には農薬をあまり使いません。農薬を使うとコストが高くなって合わないのです。ですから、有機や無農薬の認定を取っているわけではありませんが、小麦はほとんど農薬はかかっていません。
大豆は、さやの中に入っているので、そこまで無農薬に重きは置いていません。また、有機の大豆が醤油の醸造に適しているかというと、必ずしもそうではありません。
(竹原港から白水港へ向かうフェリーから見える大崎上島)
塩
塩は、香川の海水塩の並塩を使っています。
天日塩は、基本的にはみな外国産になるんです。メキシコかオーストラリアの海水を蒸発させたもので、フィルターをかけていません。
どうしても産地が外国になるので、国産の原料を求めるお客様のニーズに応えて、香川の並塩を使います。
ただ、並塩は、天日塩のように海水を平地のようなところで蒸発させるようなやり方はしていません。海水を濃縮して水分をとばします。フィルターをかけて異物を除去し、重金属とか有害なものがないということを分析で出せるのもメリットになります。
(本記事は、2015年2月に4代目岡本康史さんに伺ったお話を編集したもので、一切の文責はEat Naturalにあります。)