アニマル・ウェルフェア(Farm Animal Welfare/家畜福祉)は、鶏や豚や牛などの家畜を、のびのびと体を動かせる環境で健康的に飼育することをいいます。
「家畜が最終的な死を迎えるまでの飼育過程において、ストレスから自由で、行動欲求が満たされた健康的な生活ができる状態」と、アニマル・ウェルフェア研究者として知られる松木洋一先生(日本獣医生命科学大学名誉教授)が「人も動物も満たされて生きる ウェルフェア フードの時代」の中で説明しています。
アニマル・ウェルフェアをふまえて、岩手県岩泉町で山地酪農で乳牛を育てる中洞正さんの中洞牧場を見てみましょう。
牛が山腹の牧場に放牧されて、野山を駆け回り草を食んでいます。牛たちは、急峻な坂道をいともたやすく駆け上るほど強靭な足腰をしてます。また、反芻動物である牛の本来の食べ物である草を食べているから胃腸も健康だといいます。
一方、日本の一般的な飼育方法では、乳牛は牛舎の限られたスペースの中で飼料を与えられて搾乳され、野山を歩き回ることはありません。限られたスペースにできるだけ多くの牛を飼い、搾乳効率を第一に考えるため、工業的畜産(Factory Farm)と呼ばれます。
写真は中洞牧場Facebookページからお借りしました。