① ぶぅふぅうぅ農園 (放牧豚)
AWFC企画: 山梨の「ぶぅふぅうぅ農園」と「黒富士農場」を訪ねる 2017年4月4日

牧場に着くなり子豚がウロウロ

左手 ぶぅふぅうぅ農園 中嶋代表、右手 松木洋一先生
( 参加者からの質問)
◆「どうしてそこまでこだわるんですか?」
性格!!(笑)
やっぱり、食べ物だから、安心して食べられるものを作りたい。自分が食べたいものを作りたいっていうことかな。
◆「かわいい子豚の時から手塩にかけて育てた豚を出荷する時には、可哀想に思うことはないですか?」
確かに、特徴のある豚は気になることもある。
例えば、ちょっと色の濃い豚。子供の頃に懐いて、ゴロンとひっくり返ってお腹をさすると喜ぶような豚もいる。目立つので放牧場に移してからも、あぁ、随分大きくなったなとか。でも、トラックに積み込んだ時点で切り替えます。うまい豚肉ができるんだと。

母豚の母豚(おばあちゃん?)
◆ 自家繁殖

お母さん豚、お腹が重たいのかな?ゴロン
◆ 子豚を母乳で育てる。45日間、母乳哺育をした後に、飼料に切り替えていく。生後45日位で、糞の状態が桑の実状に変わる。その後で、飼料に切り替えることで、母乳飼育に成功。チェルノブイリ原発事故の後に、人工乳に放射能が検出されたことがきっかけ。最初は、失敗した。放牧といっても、自家繁殖で母乳で飼育する生産者は滅多にいない。

左は子豚の保温箱
◆ 一般に、よく問題視される母豚のクレート。普通は、母豚はこの中にずっと閉じ込められている。網の上に高床式になっていて、糞尿は下に落ちるようになっている。それをバリアフリーに改良して、1日2回の給餌後、外へ出し散歩させる。クレートを使うのは、母豚がドスンと腰掛ける時に、子豚を圧死させてしまうことがあるから。母豚によっては、ゆっくり体重を下ろしていくので、問題ない豚もいる。

「オス!!」
◆ 国産飼料80〜85%。残りの約15%は、非遺伝子組換え、ポストハーベストフリーのトウモロコシ。ナチュラルチーズなど、工場から廃材を無料でもらうものも多い。輸入飼料だと65円/kg位かかるが、10円/kg位に抑えられている。けれども、それらを取りに行ったり、加工したりするのが大変。豚を育てるのと、飼料を作るのが同じ位の手間がかかっている。

放牧場付きの豚舎
◆ 市販されている豚で、抗生物質不使用というのがあるけれど、あれは正確ではない。生後3週間位与える人口乳には、既に抗生物質が入っている。それ以降は使っていないというだけのこと。生後4ヶ月からは、薬の使用を規制されているので、どの豚にも使っていない。

出荷?!じゃなくて、大きくなったので隣の放牧場へ移動
◆ 断尾はなし。切歯は、母豚の乳を傷つけてしまう場合に必要に応じて行う。

大きくなった豚の放牧場。豚は草が大好きで、むしり取って投げいけて上げると寄ってくる。
◆ 中嶋代表よりいただいた資料に、有機畜産と今後の展望について以下のように書かれている。
● 有機畜産の場合は餌の調達がポイントになる。

初めて豚を間近に見る我が子たちも大喜び。「子豚さんかわいいね!!でも、大きな豚の鳴き声はコワイね!!」
● 世界の食料事情、飢餓の問題を考えた時、世界中から餌を持ってくるのではなく、国内で贅沢に捨てられる食品に目を向けるべきである。

放牧場脇の給餌場。出荷する時はここからトラックの荷台に積む。慣れた場所なので自然に集まり、トラックに乗る。一般的な豚舎で飼われている豚は、トラックへ移動するだけでも、大パニックを起こしたり進まない豚も。スタンガンのようなもので威嚇しながら、積み込むこともあるという。
● 有機飼料の生産が難しい国内においては、エコフィードの活用による国内循環が必要。

松木先生の愛犬みかんちゃんは豚に興味深々!!遊んで欲しいのだとか。
● 有機畜産は敷居が高すぎて普及は難しい。

お待ちかねの昼食へ
● 飼料を除けば有機畜産とアニマルウェルフェア畜産は基本的にかわらない。

放牧豚尽くし、美味!!
● 有機畜産を頂点とし、間口の広いアニマルウェルフェアを取り入れた畜産の普及が必要。

全員で記念撮影。Viva AWFC!!